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ガッチャマン クラウズ


関西で放送してないのでスルーしてたけど、日テレオンデマンドで配信されてたので、全話公開日に一気に見た。

うん、これ今期最高クラスのアニメだ。


物語は現代。スマホが普及しており、ネット上で気軽に相談や手助けを依頼出来るアプリ『ギャラックス』が流行している。
『ギャラックス』は現実世界のtwitterをやや進化させたものだ。人助けをすると良い方向に世界がアップデートされたということでポイントが貰える。つまりゲーム感覚で世界を平和にしようとするツール。
対してヒロインは手帳集めが趣味の少女。ガッチャマンの通信・変身アイテムも手帳。
これはスマホ(ギャラックス)という開けたコミュニティと、手帳という閉じたコミュニティで対立項になってる。
ただ『ネットの繋がりは現実の繋がりに劣る』みたいな説教臭い話じゃない。
ヒロインのはじめはギャラックスを使ってるし、便利ですごい発明だと思ってる。その一方でギャラックス内のコミュニティOFF会を企画したり、気軽にスマホの電源を落としたりしてみせる。
つまりはじめというキャラクターの性質は中庸だということ。ネットは便利なものとして使ってるけど依存してはいない。現実の付き合いを蔑ろにしない。

はじめは最初の宇宙人との戦いで、倒すんじゃなく分かり合う。
「出会えてない気がしたッス」っというはじめの言動は、一見すると直感的な天才に見える。しかしこれは別の場面で、ガッチャマン仲間である清音が席を譲らない男や乱暴な運転に憤るのに対する答えで否定される。
「もしかしたらメチャクチャ疲れてのかも」「もしかしたら病人や妊婦さんを乗せているのかも」
はじめは一方向だけの見方をしない。相手にも事情があるかもしれないと、相手の考えも尊重している。正に中庸の性質だ。
つまり宇宙人を倒さなかったのも天才的な閃きによるものじゃなくて、宇宙人に対してすらも同様に相手の考えを尊重したのだ。
そしてこれはまたギャラックスとの対立項になっている。
ギャックスは困ってる人の依頼を近くの人が解決し、そうした行動によって世界をアップデートしていく。平和に近づけていく。
はじめのように考え方を変えるだけでは、ギャラックスはポイントをくれないだろう。しかしみんながはじめのように考えれば、確かに世界は平和になっていくんじゃないだろうか?
はじめは行動ではなく、気持ちでも世界を平和に出来るという象徴なのだ。

ガッチャマンクラウズに秘められた対立項はこれだけではない。
劇中でも示された、世界の平和を守る一握りのヒーロー=ガッチャマンと、世界を平和にアップデートする無数のギャラックス使用者=ギャラクターの対立。
これは本当に正義と正義の対立項で、どちらも全く間違っていないというところが、いままでの『正義とは?』というテーマのさらに先に踏み込んでいる。
そしてこういうテーマだからこそ、ベルクカッツェという悪が活きてくるのだ。

ベルクカッツェはギャラックスの製作者である累にクラウズという精神エネルギーの具現化を可能にする力を与えた宇宙人。
累はクラウズを選ばれた100人のギャラクターに分け与え、さらに世界をアップデートしようとする。
クラウズとは正に一般の人々の善意が力を持った具現的存在だ。
しかしそれを与えたベルクカッツェはネットスラングで相手を煽ったり、人の姿を奪って罪を犯したりする、クラウズとは正反対の悪意が具現化した存在なのだ。
そう考えるとベルクカッツェの言う『地球が滅ぶ条件が揃った』というのは、ある程度の想像は出来る気がするが、それは今後の展開に期待ということで。

なお累は女装少年なわけだけど、これも単にキャッチーなわけじゃなくて、自己の中に対立項を含んでいるメタファーだと考えられる。
累はクラウズの力を使うことを忌避している。これはベルクカッツェから与えられた力だからというだけでなく、クラウズが彼の否定する一握りのヒーローの力だからだ。
彼の理想はギャラックスによって、普通の人々の善意によって世界が平和になることであり、選ばれし者によってもたらされたものであってはならない。
この葛藤と対立が女装という姿で象徴されている。
加えてコレは原作版のベルクカッツェの両性具有的イメージを仮託してもいるのだろう。
(クラウズのベルクカッツェは両性具有というよりは、より超越的存在に変わっているので)


とにかくすごいアニメだ。
これだけの内容を含みながら、しかし映像としてアニメとしてすごく面白い。
しかもリメイク作品に大事な原作に対するリスペクトも上手くて、意味合いをあまり変えないまま、原作のキーワードを全く新しい世界観の中に落とし込んでる。
・ギャラックスをしている人のことを“ギャラクター”
・ギャラックスを管理しているAIの名前が“X”
・ガッチャマンに予言を託すJJの声優が森勝至
あとガッチャマンが宇宙規模で平和を守ってて、敵が悪い宇宙人ってのはアメリカ版ガッチャマン『バトル・オブ・ザ・プラネット』のパロってるんじゃないかな?


監督はタツノコの希望の星、中村健治監督。
代表作は『化猫』『空中ブランコ』『C』『つり球』など。
ちなみに俺はどれも大好き。世間評は知らんけど。
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プロフィール

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Author:左
hideとマリリンマンソンとベクシンスキーと京極夏彦と金庸と今川泰宏と冲方丁と八房龍之介と高寺成紀と牙狼とガングレイヴ(アニメ)とマクロス7を神と崇めるサイト。(多神教)

bogiehouseアットmail.goo.ne.jp

< このHP(ブログ)はライアーソフト「 黄雷のガクトゥーン」のサポーターサイトです >

















































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